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2006年 10月 09日

アブダビにて世界最大規模の発電・造水事業権を獲得

2005年1月5日

丸紅株式会社は、日揮株式会社・ビーティーユー社(BTU社、米国)・パワーテック社(マレーシア)と連合を組み、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国にて、20年間の大規模発電・造水プロジェクトの事業権を獲得しました。 昨年末アブダビ水・電力庁(ADWEA)との間で基本的な合意に達し、アブダビ首長国閣議にて契約承認がなされました。1月中旬に売電・売水契約書に正式調印する見通しです。 総事業費は既設プラント買収費用と新規プラント建設費用他を含め総額30億ドルで、発電・造水事業案件(IWPP)としては、世界最大規模の案件となります。売電・売水契約調印後、丸紅・日揮連合が4割、ADWEAが6割を出資して事業主体を設立、融資契約等を速やかに交渉、締結、05年4月より事業を開始する予定です。尚新設プラントの完成は2008年7月の予定です。

総事業費のうち20億ドルについては、国際協力銀行、及び、国際商業銀行団(8カ国より15行が参画)によるリミテッドリコースベースのプロジェクトファイナンスで調達し、国際協力銀行はうち12億ドルの融資を供与する予定です。国際協力銀行のプロジェクトファイナンス案件での一案件当り融資額では、過去最大級となります。

本事業はアブダビ、タウィーラ地区(アブダビ北東約80Km)にて、稼動中の100万kw火力発電設備および日量45万トンの造水設備を買収し、更に100万kw(独・シーメンス社製)の複合火力発電設備および日量30万トン(伊・フィジア社製)の造水設備を新たに建設し、総出力200万kwの発電設備および日量75万トンの造水設備を操業するものです。ADWEA傘下のアブダビ水・電力公社(ADWEC)とは20年に亘って売電・売水を行う契約を締結するもので、世界でも最大級の発電・造水設備事業となります。又、新規設備には熱効率が良く、厳しい排出規制を達成できる最新鋭の複合火力発電設備を導入することにより、環境への配慮も図ります。

丸紅・日揮連合は7月11日に入札に参加、既設プラントの買収価格16.9億ドルで一番札を手に入れました。 その後の技術評価・商業評価を経て、競合相手の欧州勢を抑え事業権を獲得しました。買収価格が一番札であったことに加え、本件にリーダーとして参画する丸紅の海外での豊富なIPP事業者としての実績、国際協力銀行からの新規資金調達、日揮のプラント建設マネジメントの実績、新規設備を建設するシーメンス社等の豊富な実績などが総合的に高い評価を得ました。丸紅はプラント建設業務で関係の深い日揮と組んだものですが、日揮にとっては本件が事業リスクをとる形での大型IPP事業投資の第一号となります。

アラブ首長国連邦は原油埋蔵量では世界第3位、天然ガス埋蔵量では世界第5位(主たる輸出先は日本)の世界有数の資源国で、高い投資格付け(Moody's A2)を維持しています。90年代より民活事業を積極的に推進しており、外資導入による発電・造水事業は中近東に於けるモデルケースとなっています。今後、この地域では同種の新規案件が多数計画されており、当社としては引き続き積極的な受注活動に努める方針です。

丸紅はアジアを中心とした発電事業ポートフォリオに、中近東の優良発電資産を加えることにより、発電事業ポートフォリオに厚みを持たせていきます。
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by shosha-man | 2006-10-09 20:57 | 丸紅


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