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2006年 11月 30日

カナダ大手穀物会社サスカチュワン・ホウィート・プール社の第三者割当増資の引受けについて

2006.05.18

当社は、カナダ大手穀物会社であるサスカチュワン・ホウィート・プール社(Saskatchewan Wheat Pool Inc.、本社:カナダ国サスカチュワン州リジャイナ市、社長兼最高経営責任者 Mayo Schmidt、以下「サスプール社」という)の新株発行による第三者割当増資引受けに合意しました。これはサスプール社が当社を限定割当先としたC$8百万ドルの第三者割当増資です。

サスプール社と当社はカナダ産菜種の長期供給契約を既に締結しておりますが、本出資を端緒にサスプール社とのアライアンスを更に強化し、当社として高品質のカナダ産穀物及び油糧種子を、カナダ穀倉地帯から本邦当社客先へ安定的に供給する体制を整え、年毎に高まる食糧の安全・安心問題や、延いては将来の潜在的な食糧危機への対応策の一つとして位置づける考えです。

食用油の原料である菜種には世界的に大きな構造的需給ギャップがあります。世界の主要生産国であるEUや中国などは、全ての生産が自国消費され、世界貿易量は世界生産量の10%程度にしか過ぎません。唯一安定的輸出供給力を有するのはカナダ一国のみです。「キャノーラ」と呼ばれるカナダの菜種から得られる油は、高品質の食用油として重宝されることから、わが国では「キャノーラ油」は家庭用・業務用に広く用いられてきております。

わが国は世界最大の菜種輸入国であり、世界貿易約630万トンの40%弱である230万トンを輸入しています(2005年ベース)。その一方で、欧州では環境対応を理由にバイオディーゼル用途の菜種油需要が急増しており、EU指令に基づくと、2010年には欧州では食用用途全てを燃料用途に振り替えたとしても賄いきれないことも予想されます。このような世界的菜種需要の高まりを鑑みると、その供給確保は増々重要となるものと考えられます。

当社は古くから(1970年代より)カナダ菜種輸入を積極的に開始し、主要な輸入者として安定的な供給を手掛けて参りましたが、上述のようなマーケットのパラダイム転換を鑑みて、わが国への持続可能な安定的菜種供給体制の構築の必要性を痛感しており、サスプール社とのアライアンス強化に至りました。

カナダの代表的な穀物会社であるサスプール社は1924年に創立し、元々は大手農協組織として事業展開してきましたが、2005年3月に会社形態を株式会社に変更しました。本社をカナダの穀倉地帯(プレーリー)の中心であるサスカチュワン州リジャイナ市に置き、サスプール社はプレーリー全域に渡るカナダ農民への種子・農薬・肥料等の販売と農民からの穀物・油糧種子の買付のネットワークを持っています。生産地では最新の大型エレベーター群を配備し輸出港まで極めて効率的な運搬ができる上、輸出港においても産地から運んだ穀物・油糧種子を大量に保管し、迅速に本船への積込みを行える輸出ターミナルを保有しており、こうしたロジスティックスにも大きな強みを有しています。

by shosha-man | 2006-11-30 20:06 | 三井物産


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