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2013年 05月 23日

マルコ・テンペスト 「拡張現実がつくり出す魔法」

今回もテクノロジー系のプレゼンを紹介します!

ウェアラブル(身に着けられる)デバイスが世の中に出回るようになるので、拡張現実は注目される技術になります。自動車、家電、エンターテインメント、教育、観光業とかに転用できる技術かも。


(概要)
マルコ・テンペストが紡ぎ出す美しい物語は、マジックとは何であり、それがいかに人々を楽しませ、いかに人間性に光を当てるかを語ります。自作の拡張現実マシンで作り出すものすごいイリュージョンとともに。

今日お見せするのは まだ実験中のものです 今日が初披露になります 拡張現実の実演です ご覧になる映像は録画されたものではありません ライブで 私の動作に リアルタイムで反応しています いわばテクノロジーによるマジックです それでは幸運を祈りつつ 皆さんは大きな画面を見ていてください

拡張現実は 現実と コンピュータの生成した イメージを融合させたものです これはマジック研究のための 理想的なメディアです このテクノロジーの時代にあって なぜ私達は 不思議な魔法に 惹かれ続けるのかを問うのです マジックは欺きですが みんなが楽しめるような欺きです 欺かれることを楽しむには 観客は疑いを 一時保留する必要があります この心の受容的状態に初めて言及したのは 詩人のサミュエル・テイラー・コールリッジでした

「私が書くときには 真実の見かけを与えるべく努め 想像力の幻を生み出し ひと時の間 疑念を 保留しようと思わせることで 詩的な信頼を築くのだ」

このフィクションの中における信頼は あらゆる劇場的体験の本質となるものです それなくしては 台本は ただの言葉になり 拡張現実は 単なる新技術となり 手品は 指先の器用さの単なる 技巧的実演になってしまいます 私達はみんな疑いを保留することに— 長けていて 毎日行っています 小説を読むときにも テレビを見るときにも 映画を見に行くときにも 喜んで架空の世界に入り込んで ヒーローを応援し 会ったこともない友人のために泣きます この能力なくして マジックは成り立たないのです

マジシャンのストーリーテラーとしての 役割を最初に認識したのは フランス最大のイリュージョニスト ジャン・ロベール=ウーダンでした 私は彼の言葉を自分のスタジオの壁に掲げています

「手品師は曲芸師ではない 手品師とは魔法使いを演じる役者である」

この意味は マジックは劇場であり トリックはストーリー だということです マジックのトリックは 物語の原型に従っています 創造と喪失や 死と復活の話があり 越えなければならない障害の話があります その多くはとてもドラマチックです マジシャンは火と鉄を使いこなし 唸る丸鋸に挑み 弾丸を捕まえようとし 命がけの脱出を試みます しかし観客はマジシャンが死ぬのを見に来るわけではありません 生き延びるのを見に来るのです 一番いいストーリーは いつもハッピーエンドだからです

マジックには1つ特別な要素があります ひねったストーリーです エドワード・デ・ボノは 人の脳はパターン照合装置であり マジシャンは観客の考え方を 逆手に取るのだと言っています

「舞台奇術がもっぱら頼りとするのは 心理的誤謬だ 観客はまったく合理的な仮定や理解へと 誘導されるが それは 目の前で実際に起きていることに 一致していないのだ」

その点で マジックはジョークに似ています ジョークは期待される目的地へと 導いていきますが 想像していたシナリオから 突然 まったく予想外のものへと転換し そのためみんな笑うのです 同じことが マジックを見ている時にも起こります 結末は 論理を裏切り 問題の新たな見方を与え 観客は笑いによって 驚きを表すのです これは欺かれることの喜びです

ストーリーの重要な要素は それが 共有されるべく作られていることです 話さずにいられなくなるのです 私がパーティでマジックをすると・・・ (笑い声) 相手はすぐさま友達を引っ張ってきて もう一度見せてと言います 体験を共有したいのです これは私の仕事を難しくします 彼らを驚かせようと思ったら 同じストーリーで始めながら 違った結末を見せる必要があります トリックに もうひとひねり 加えるわけです こっちは大忙しです

専門家によると 楽しませ続けるためには ストーリーが相手の能力の上を行く必要があるそうです 私達は物語の枠組みの中で考えます 出来事や感情をつなぎ合わせ 容易に理解できるよう 直感で 1つの流れに変えるのです これはとても人間的な行為です 私達はみんなストーリーを 共有したいと思っています パーティで見たマジックであれ 仕事でのひどい一日であれ 休日に見た美しい夕日であれ

今日ではテクノロジーのおかげで そういったストーリーをかつてなかった方法で共有できます メールに Facebookに ブログに ツイートに TED.comも ソーシャルネットのツールは デジタルのキャンプファイアであり そのまわりに人々が集まって ストーリーに耳を傾けるのです 私達は事実を直喩や隠喩や ファンタジーに変えます ギザギザな人生の縁を磨いて 全体として感じられるようにするのです ストーリーは私達を本当の自分にし 時には なりたい自分にします ストーリーは私達に アイデンティティを与え コミュニティの感覚を与えます そしてストーリーが良いものであるなら それは私達を笑顔にするのです

ありがとうございました

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ありがとうございます

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by shosha-man | 2013-05-23 12:00 | その他・関連事項


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